運送会社というのは、企業間での差別化が難しい業界である。
運送会社は、モノ作りの世界のようにオンリーワンを自ら作り出すのが困難な業界である。
なぜ差別化が難しいか。
そんな中で、個々の運送会社は何で差別化しているのか。
問題点としては、非常に単純なことではあるが運賃以外では競争が困難であるということがある。
確かに、今日においてはエコが叫ばれているがので、
アイドリングストップとかエコ運転してますとかのアピールしている会社はあるが、
そんなことは、余程環境問題に力を入れてる荷主でないと問題にすらならないのだ。
多くの荷主は安く確実に荷物を運んでくれたら良いわけであり、
世の中の半数の運送会社が、まともに荷物を届けられないなんて状況なら話は別だが、
事故でも起きない限り、確実に荷物は到着するのは当たりまえのことである。
そうなってくると、輸送品質の向上なんてことを謳いだすんやわ。
挨拶・服装・構内ルールの順守なんてことかな。
ざっくりとは、運転手の質・教育が出来ているかということや。
しかし、輸送品質が少々上がっても、結局はドングリの背比べてことや、
とてもやないが、「当社は輸送の品質は日本一です。」なんてことで、新規の仕事を取ってくるのは難しいだろう。
逆に、運転手の質が悪い=輸送品質が悪くて仕事を切られることはあり得る。
このことは、同じ会社の運転手同士でもあり得る罠。態度が悪い・ルールを守らないなんてことをして、出禁なんてことはよくある話ではある。
大手の運送会社みたいに核物質等を運ぶなんてことは、中小の運送会社では、
まず不可能だから、特別なオンリーワンなことをしない限りは一歩抜きんでることは難しいわけや。
だから、殆どの運送屋は運賃のダンピングに走るんやわ。
そんなことをしてたら、結局は運転手にシワ寄せが来るのは明白なことで、
運賃が下がれば、高速は乗れずに一般道で移動なんてことになる。
しかし、最近では労働時間が問題視されることが多いので、一般道ばかりを走らすことは労働時間の超過となりかねないので、ある程度は高速を使わないと監査で引っかかる。
運賃の低下がすべて悪いのだが規制緩和の影響があるにしろ、そうしたのは運送業界自身なのである。
自分の会社が、仕事を得るために安い運賃を提示する、場合によっては荷主から運賃の引き下げを要求されることもあるだろう。そのようにして運賃は右肩下がりで、経費はどんどん上昇していく、そして給料は当然に右肩下がりになる。
デフレの時代が終わって、給料が上がったかというと、決してそんなことはなく。
運送業界に限らず、社会における末端で生きている者にとっては這い上がるのは
非常に困難な時代なのである。
続く
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