運送業界のブラックな理由②

前回のパート①では、中小の運送屋がブラックといわれる所以について書いたが、
次は、運送業界が他の業種と違い黒く染まった現状から抜け出しにくいのかということを書こうと思う。

前回書いた勤務・拘束時間が他の業種よりも非常に長いという問題があるのだが、
それよりも、運送業界の長年の悪い習慣というのがある。

以前、事故の自腹について書いたのだが、事故と一口に言っても運転中の事故と
積み込み中の貨物事故というものがある。
そして、事故のランクに関しても軽微な事故から重大な事故まで多様である。

その中でも今回のテーマは、ケース不良というパターンで話をしたいと思う。

ケース不良とは、いわゆる
「外箱が汚れている・へこんでいる・濡れている」なんてことを言うのだが、

一番馬鹿らしいのは、家電製品とりわけエアコン・洗濯機・冷蔵庫等の白物家電の、
ケース不良のパターンである。

皆さんに質問です。

上記に挙げた、大型白物家電を電気屋さんで購入したら普通は取り付けや配達をお願いすると思うのですが、配達に来てもらってケースが汚れてるとか確認をしたことのある人はどれくらいいるでしょうか?

殆どの方は、外箱=ケースの確認なんてしないと思います。

しかし、白物家電を工場から倉庫に配送している運転手はそこでも理不尽な扱いを受けているのである。

白物家電の配送なんて物は、多くの場合は手積みなのである。しかも大型トラックに
目一杯詰め込むのである。
当然、エアコンの室外機なんて30㎏位はあるだろうそんな物を積みあげるのである。

家電製品の梱包は多くの場合は段ボールケースにPPバンドが掛けてあるのである。

重いものを積みあげる場合はついPPバンドを持ってしまうことがある。
そうなると、ケースの角はバンドが食い込むワケね。
実際のところ、少々食い込んでも、角には発泡スチロールが緩衝材として入っているのから
商品には何も問題はないんや。

しかし、メーカーから外部倉庫に輸送した場合は、そんな食い込みでもチェックが入るの場合があるわけや。
荷卸しをしてると研修員が、

「運転手さん、ケースにバンドが食い込んでるから現認書にサインしといて。」

なんて言われるんや。

つまり、「輸送中に梱包不良が発生しましたよ」という事実の固定化をするための書類にサインするということである。

多くの場合は、現認書にサインしてもその後、何もないことの方が多いのであるが、
万が一、梱包をやり直さなければいけなくなると、「資材代・作業料」なんてのが運送会社に請求が来るわけや。

そうなると、その資材代等はどうなるか・・

多くの場合は事故扱いで運転手の負担となるのである。

このことだけでも、かなりブラックな香りがしてきましたね。

続きは次回に

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