運送業界は人手不足で大混乱
少子高齢化の現在、事業継続の必須条件として人材(運転手)の確保というのがある。
特に中小零細の運送会社においては、運転手が必要人数集まらないとトラックを休車せざるをえない。
これは収益確保の面からも死活問題である。
トラック運送業界というのは、職人気質の人材が集まる傾向があり、云うならば体一つ、自分の腕一本で給料を稼ぐという、大工さんや左官業者等の方々と同じで、運転職人ともいえるのである。
当然、筆者も現役トラック運転手の時代は少しでも条件の良い会社があれば、面接を申し込み採用となれば簡単に会社を変わるということを繰り返してきたので「石の上にも3年」なんて諺は無縁の運転手人生を歩んでいた。
他の業界に就職した同級生などからは、「あいつは我慢が足りない」なんて思われていたに違いない。
運送業界は退職金が皆無に近い
トラック運送業界(運転手)に関して特に中小零細企業は、人の出入りの激しい業界といえる。
人の出入りが激しいから退職金が殆どでないのか、退職金が殆ど出ないので人の出入りが激しいのか、そこは判らないが、
大手の一部上場企業でもない限り、定年まで勤めてもとても老後が安泰といえる退職金は期待ができない。
これが一般企業との大きな違いであるし、人材の流動化原因ともいえる。
しかし、同じ会社に長く居るというのはメリットもある。
配車の面で優遇してもらえたり、当然勤続給等で昇給もあるだろう。第一慣れた仕事で日々を過ごせるというのはこの上ないメリットといえる。
運送会社は欠陥だらけ?
これに関しては個人差があるとは思いますが、会社に雇われていると会社に対して不満を感じる場合がある。特に筆者の場合は会社の良い面を意識せずに悪い面ばかりが気になりフラストレーションが溜まる性格だったのが幸か不幸か「こんな会社あと何年持つのか」なんてことをいつも考えていた。
確かに、運送業界は3Kといわれる業界であり、手積みがあったり長時間勤務の激務であったりと優良な企業の方が少ない業界であるので、不満を言い出すとキリがない。
積み込みに行けば何時も待たされ、挙句に検品までさせられ、その上手積みとくれば、なんと酷い扱いをさせやがるなんて思っていた。
特に下請けになればなるほど、そのような扱いが多く元受けの業者の運転手を羨ましく思っていた。
このような現状に身を置いていると、「隣の芝は青く見える」となるのも当然至極である。
しかし、これは運送会社自体の欠陥なのではなく、運送会社のヒエラルキーともいえるどうしようもしようのないことである。
だから私は転職をした
はっきり言って、文句ばかり垂れていても現状は変わらないので、転職して現状を少しでも良くしようとした。
結果は、良くなった面もあり、余り変わらなかった面もあり、転職は成功したのかどうかはよくわからない。
しかし、現状からの脱却という一面だけは成功といえただろう。
はっきり言って、転職して得るもの失うもの相殺してプラスになれば成功ととらえるしかない。
中小の運送会社に就職するにあたっては、退職金等が殆ど期待できないのであれば、不満を募らせるくらいなら、思い切って転職した方が幸せになれると考える。
これから運転手を目指す人に
- トラック運転手は出入りの激しい職種であるので、合わなければ辞めればよい。
- 大手の会社でない限り退職金等は期待できないので、永年勤続は考えなくてよい。
- トラックを転がせ、道を覚えれば大抵の会社は雇ってくれるので潰しがきく。
このことからも、余り深く考えずに運送会社の門を一度叩いてみて欲しい。