トラック運転手の辞めかた

トラック運転手の引退方法

トラック運転手をしていていつも付きまとっていること

それは

潰しがきかない

つまり、他の仕事に就けなくなるということ。

トラックの運転手というのは、他の業種と違い、一人の時間が多く人との関わりがとても少ないがゆえに気楽と感じ私自身も「この仕事は天職だ」と思っていた。

しかし、運転手というのは勤務時間が異常に長く、特に長距離運転手ともなると、家にも帰れずほぼトラックのなかで過ごさなければいけないので犠牲にしなくてはいけないことも多くなる。

その最たるものが家庭であり、本当の意味での安らげる時間である。

若い時は、大きいトラックに乗れることが憧れであり、嬉しいと感じていたが、ある程度歳を重ねると、気楽さと引き換えに失っているものに気づかされる時が訪れる。私の場合は友人達の職場での立場である。立場だけならまだしも、収入にかなりの差が生じていたのである。トラック運転手をしていると昇進とは無縁だと盲信して運転だけしていればそれで満足して会社内で自分の将来像に全く無関心で、実際のところ事務所に入るのを嫌がる人がトラック運転手大半である。何故ならばこの気楽さから抜け出せないからである。

運転業務というのは端的に言ってしまうとぬるま湯に浸かっているようなもので(体力的には厳しいが)、立場上自分の運行関係以外の責任を負わない、これが気楽さでもある。私が運転手をしていた時もこの気楽さに浸っていた。

しかし、時間的な犠牲、周りとの賃金格差、事故のリスクを考えると、とても割りの良い仕事とは思えなくなっていたのである。

ましてや、この先体力も落ちていき無理が効かなくなると、仕事量に限界が出来、当然給料も下がっていくだろうし、良い将来が想像出来なくなっていた。かといって、現役運転手の頃は管理職を目指すなんてことは微塵も考えたことがなかったので、選択肢としては、このまま運転手を続けていくか他業種に転職するかであった。

ここで問題となるのが、潰しがきかないという思考回路が働いて二の足を踏んでしまうとぬるま湯から抜け出せないですが、私の場合は1つ目標を作りました。

目指せ大卒

ということで通信大学に行くことにしました。通信教育とは言うものの年に数回は授業受けないといけないし、単位を貰うのに試験を受けないといけないのでとても長距離運転手との二足のわらじを履くことは困難であり、半ば強制退場となりました。

そして選らんだのが倉庫のリフトマン、物流関係ではあるがトラック運転手とは違い交通事故というリスクがないのでそれだけでも精神的に楽になりました。

これが私のトラック運転手の辞めかたでした。

その後の人生はというと紆余曲折はありますが何とか生きております。トラック運転手辞めて良かったかどうかはなんともいえないところですが、新しい人生のスタートには、きっかけが必要だということで何か参考になればと思います。