トラック運送業界のブラックな理由③ 

トラック運送業界がブラックと言われる所以は、
勤務時間の長さに有るのはパート①で、少しだけ話したが、
まずこれを見てもらおう

全ト協の資料に詳しく載っているのだが

この資料には、労働時間と休息時間の関係性が載っているのだが、
殆どの中小零細の運送業者にとっては、机上の空論でしかない内容となっている。

実際に運転手をしていた時は、月曜日の朝と仮定して

朝の4時に出発して荷卸し(8時)~
午後から積み込み~長距離出発~卸し地到着(4時間程度仮眠)~翌朝7時荷卸し~
帰り荷積み地移動~積み込み完了(15時)~
途中仮眠をとりながら~卸し地到着(6時)~
荷卸し(8時)~積地へ移動
その後は繰り返し

こんなのは別に特殊なパターンではなく、今でも長距離のドライバーにとってはごく当たり前の運行である。

週明けに、一旦出発してしまうと週末までは仕事がエンドレスに・・・

当然、休憩を連続で8時間取ることは、余程の良い仕事に当たらないとまず不可能である。
休憩以前に、連続拘束時間は限度の16時間なんて遥かに超えて、計算が不能時間としておこう。

上記のような運行をさせない為に、大手の運送会社は長距離の輸送は下請けに丸投げして、自社の運転手は月に一回程度の長距離なんてパターンだ。

しかも、長距離を行く日は、朝一に早く積める荷物を積んで、即出発して夕方には卸し地の近くまで移動して翌日の早朝まで8時間以上休憩、荷卸し完了後、近い積地で帰り荷を積んで、その日の夕方には車庫に帰る

全てがここまでスムーズに回る場合ばかりではないが、確実に8時間の休息時間は確保できているのである。万が一、8時間の休息が確保できない場合は別の運転手に帰り荷の荷卸しを行かすなんてのもあるらしい。

しかも、元請けの大手運送会社は、拘束時間の関係か全線高速で時間短縮している。
他方、下請けの運送会社は少々積み込みが遅くなろうが、高速道路の乗れる区間は限られていて、余計な区間を乗ると給料から天引となる。
結局は、運転手が過酷な目に遭うのである。

当然、過酷な運行を強いられて給料が良いかというと、法令遵守の運行をしている大手の元請けの運送会社の方が年収ベースで考えると確実に上である。

しかも、運送業界では、仕事がまわって来るまでに多数の運送屋が噛んでいる場合があるので、最初は10万円の運賃が実際に走る運送会社に話が来る頃には4万円台になっているなんてことは普通である。

帰り荷を”水屋”(仕事を斡旋してくれる運送業者)に仕事をもらっている運転手さんならお分りと思うが、最初に電話してから何軒電話しなければいけないかということである。
所謂たらい回しで、3件ぐらいならまだマシで、7軒・8軒当たり前である。
当然、一軒増えるごとに手数料(電話代として)ピンハネされ運賃が下がるのである。

運送業界がブラックと言われるのには、このような構造的な問題がある。

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