トラック運転手の仕事と言っても、近距離日帰りの仕事もあれば長距離で
一週間帰れないような仕事もある。
今回は、
“長距離の運転手は何処で寝るのか”
にスポットを当ててみよう。
先ず普通の大型トラックには運転席の後ろにベッドがついていて、多くの場合はそこで寝るのだが、ハードな仕事柄、疲労困憊時に少し眠気を飛ばそうとしてベッドに潜りこむと気がついたら
延着確定
なんてことになると困るので、4時間に30分の休憩時には座席を倒してハンドルに足を上げて寝るなんてこともする。そんなことを繰り返しながら何とか事故をせずに仕事をこなすのが常なわけだ。
しかし、中には運転席の後ろにベッドの無いトラックもある。
ショートキャブ
と云われている使用のトラックなのだが、この場合は何処で寝るのか?
なんと、二階にベッドが付いているのだ。
メーカーによっても様々だが、ワシの乗っていた日野プロフィアについて話そう。
日野の二階建て「スーパーハイルーフ」なんて名前だったか??
二階建て仕様というだけあって運転席のキャビンの上にもう一つ部屋があるわけだ。その二階にどのように行くかというと、確か助手席あたりに梯子があって、それをつたって二階に行くんやわ。この部屋が中々広くて標準的な大人だと胡坐をかいて座れる位の室内高と一畳位の幅がある。
ハッキリ言って、カプセルホテルより広いから条件さえ揃えば標準キャビンのベッドより良く眠れる。そう
条件が揃えば・・ね!?
その条件というのは、気候・天候・・・
この二階建て、何が問題かと言うと夏場の日中暑いという事だ。
一般的な家やアパートなんかでも最上階は屋根が焼けて夏場は暑いしエアコンも余り効かない。コレと同じことが起こる。
しかも、家と違って天井からベッドまでの距離が短いので熱気を感じるのだ。
一応空調として蓄冷式クーラーなんてのが付いていて、エンジンを止めていても、走行中に冷やした蓄冷材に風を送って、その風をベッドまで送っているのだが、とても真夏には間に合わない代物で、しかも、バッテリー保護もあるのか2時間くらいで切れてしまう。またなぜかエンジンを掛けていても2時間くらいで切れてしまう。つまり昼間も夜間も長時間寝てられない仕様なのだ。
そうなると どうなるか
二階を余り使わずに、一階で寝るようになる。
運転席と助手席の間にベニヤ板を渡してフラットにしたりと工夫している方も多いことだろう。
また、蓄冷式クーラーが役立たずなので、ホームセンターで売っているジャバラの管を使ってエアコンの風を二階まで送っているツワモノも居るようだ。
荷主の要望なのか、メーカーからの提案なのか、こんな仕様のトラックに進んで乗りたいなんて人は少数派だと思うが、(見た目が不細工でもある。)
やはり乗るならフルキャビンの方が、室内も広いから圧迫感もないし座席も倒れるから少し仮眠をとりたい時に便利だ。
また、事故等のアクシデントでも生存率に違いが出ると思う。
先日、某ニュース記事で「ショートキャビンはドライバーズファーストだ」なんてのがあったが、それも言うなら「荷主ファースト」だと思う。
確かに、キャビンの容積を多く取れるので、積めば積むほど給料に差の出る会社なら賃金的メリットもあるだろうが、運転手からすればメインであるべき運転業務に関しては身体的に負担が大きくなる筈だ。
もし、これから長距離運転手を目指すのであれば、フルキャビンの大型トラックの運送会社が良いと考える。
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