トラック運転手の特有の思考

少々問題のあるタイトルではあるが、
別に「学歴が」
とかの話ではないのであしからず。

トラック運送業の中でも下請けとか孫受けの零細運送屋の運転手に多いのだが、
当然下請けであるゆえに、仕事の内容は決して良いものではない場合が多いんや。
また、下請けであるがゆえに閑散期になると普段ある定期的な仕事が無くなる場合がある。

そんな場合、経営者側としてはトラックを遊ばせるわけにはいかないので、様々な手段を使って仕事を探すわけや。また運転手にも仕事を与えて一人前の給料を持って帰って貰わないといけないと考えるのは経営者としては当然のことである。

しかし、暇な時に付き合いのある運送屋に電話して、余っている仕事を分けて貰うのだから、決して条件の良い仕事ばかりではないわけで・・・

所謂

カス仕事 

が多いわけや。

そうなると、運転手は

しょーもない仕事とってきやがって

となる。

普段がリフト積みの運転手にバラ積みの仕事がまわってくると、上記の様な愚痴が聞こえてくるようになる。

親の心子知らず

といったとこかな。

会社としては、経費的にも従業員の給料的にも仕事を与えなければいけないのは当然であるが、運転手としては普段よりキツイ仕事だとなんだか割りに合わないなんて感じてしまう。

上記のことに関しては派遣で工員で仕事をしてても、ライン作業では、流れが早いよりゆっくりと流れている方が作業が楽であるから、キツイより楽な方が良いに決まっている。

しかし、次の場合どうだろうか。

条件の悪い仕事ばかりしている運送会社があるとする。
例えばバラ積み・待ち時間が長く、出発がいつも日没後である。
こんな仕事ばかりしていると、他社のA運送会社だと、運転手はA運送だと99%リフト積みなのに、それに比べて、うちの会社は99%バラ積みや。

身体を動かすのが大好きな体育会系のムキムキのお兄ちゃんやったら、バラ積みがメインでも、それほど不満が出ることはないかもしれないが、ワシみたいにモヤシっ子だと運動は大嫌いやし、運動したら鼓動が速くなり体に悪いんやないかと考えてしまうから、基本バラ積みはしたくないんや。

当然、ワシみたいのやったら不平不満が出るわな。

そうしたら、運転手同士でこんなことを言うんや。

「こんなバラ積みみたいなカス仕事ばっかりとってきて、〇〇運送みたいにパレット積みの仕事を取ればいいのに」

なんて言いだすわけや。

事務所と運転手の垣根が低い会社になると、そんなことを
事務方に言う運転手もいることだろう。

しかしである。

経営者視点で簡単に言ってしまえば、「それなら、お前が仕事を取ってこい」となる。

運転手が不定不満を言うのは簡単だが、仕事を取ってくのがどれだけ大変かというのが
抜け落ちてしまっているのである。

所謂底辺層の仕事を続けていると、物事を単純に考えるようになる。

なぜならば、従事している仕事が単純な仕事であったり、仕事に従事するために並大抵の勉強では取れないような資格を取得しているわけではない。
仕事上でのトラブルといっても、当事者が管理職でもないケースが多くトラブルの対策書なども上司が仕上げる場合が殆どだろう。
しかもトラブルの内容も複雑な事案よりも単純な事案の場合が多いので、物事に対する考え方も次第に単純化していき、考え方の視野が狭くなる傾向があるようだ。

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